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    naf. Hey-Low Tour Final Supported by BM-ECHOES ライブレポート

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    2026/09/13 21:02

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    Hey-Lowtour 2026 -tour final- 東京公演レポート

     

    20246月、かねてより交流のあった伊藤昌弘(Vo.Gt.)、前田竜希(Ba.)、宮内告典(Dr.)の3人によるライブをきっかけに活動をスタートしたnaf.

    その後は国内外でのライブやイベント出演などを重ね、今年、活動開始時のセッションツアーから数えて3度目となるツアー「『Hey-Lowtour 2026」を開催した。

    サポートメンバーにYutoGt.)を加え、4月の宮﨑公演を皮切りに全国6カ所を巡った本ツアーは、202694日、渋谷WWW Xにてファイナルを迎えた。

    これまでで最も大きな会場に立った彼らは、5ヶ月にわたる旅の締めくくりとなるステージを披露。その模様をレポートする。

     

     

    本編に先駆け、この日のために結成された“2657 Session Band”がオープニングを担った。会場を大いに盛り上げ、フロアがすっかり熱を帯びたところで、いよいよnaf.のメンバーがステージへ。

     

     

     naf.にとっても特別な意味を持つこの一夜は、ツアーのタイトル曲「Hey-Low」で幕を開けた。

    力強いギターリフと、大地を踏みしめるようなビートが心に火をつけるようなナンバー。

    序盤は真剣な表情で演奏を始めたメンバーだったが、客席から湧き上がる手拍子を受けると、弾けるような笑顔を見せる。

    伊藤が歌いながら「ありがとう!」とフロアに声をかけ、手拍子がそれに応えるように大きく響く。

    1曲目から、ステージと客席の距離が一気に縮まっていった。

     

     

     

     

    続いて、この日が初披露となる新曲「BLUE HAZE」へ。

    スタイリッシュな電子音のスパイスが効いた、タフなロックサウンドがフロアを踊らせる。

    メロディは、抑えたミドルレンジから一気に突き抜けるようなハイトーンへとドラマチックに展開し、熱狂は一段と跳ね上がった。

    3曲目の「Step by Step」で空気は一転、明るく軽快なサウンドが観客を笑顔にする。

    「一歩ずつ進んでいこう」というメッセージに応え、フロアは一体となってコーラスを響かせ、会場全体をあたたかなグルーヴが包みこんだ。

     

     

    「『Hey-Low』ツアーファイナルへようこそ! ここまで走ってこられましたよ。みんなありがとう!」と伊藤が叫ぶ。そして、ナファー(naf.ファンの愛称)や初めて足を運んでくれた人、対バン相手や会場などすべてに感謝の言葉を述べた。

    そして「しっかり音楽で返したい! 楽しもうぜ!」と言い、次の楽曲へ。

     

    披露されたのは、気だるげなサウンドが危うい魅力を放つ「I wanna get you done」。

    伊藤が歌いながら「会場が広くなったから」と、観客により大きな声のコーラスを煽り、フロアの温度を上げていく。

    さらに中盤では、どこまで伸びるのかと息を呑むほどのロングトーンが会場の空気を支配し、大拍手が沸き起こった。

    続けて、宮内のドラムカウントを合図に投下された「Pave the way」では、ディストーションの効いた重厚なギターサウンドが、風を思わせる疾走感でフロアを駆け抜けていく。

    演奏中にメンバー同士が目を見合わせて笑い合い、いつか巨大な野外フェスでこの景色と音を浴びたいと感じさせた。

     次の「BITOKU」ではまた雰囲気が一転、タイトなカッティングギターが鳴り響き、ファンクのビートがフロアを揺らす。

    客席の自発的な手拍子に、伊藤は「(手拍子を)煽ろうと思ったのにもうしてる!」と相好を崩す。

    ベースの前田が踏む軽快なステップも笑いを誘い、楽しさがそのまま形になったかのようなサウンドの中、愛に満ちたメンバー紹介へと繋いだ。

    そして、本ツアー中に生まれたという新曲「Lonely Rollin '」へ。

    軽快な裏打ちのリズムと力強いギターのストロークが、明るさに満ちた世界を描き出す。

    観客の手拍子が響く中、Yutoがエモーショナルなギターソロを披露。

    サビのフレーズでは、観客が一斉に手をぐるぐると回し、フロアはハッピーな熱狂に包まれた。

     

     次のMCでは、メンバー自身が描いたという似顔絵を使ったグッズなどが紹介され、思わず笑ってしまうようなデザインをメンバー同士でいじりあう一幕もあり、笑いを誘った。

     

    そしてライブは終盤へ。「There's nothing holding me back tonight」は、しっとりとしたギターの音色と静かなボーカルで幕を開けた。

    憂いを帯びたミドルテンポのグルーヴに、フロア中が酔いしれる。

    伊藤自身が奏でるギターソロは、まるでその歌声のように雄弁だ。

    ボーカルとサウンドが美しく溶け合う極上の空気を引き継いだまま、初披露の新曲「Echoes」へ。6/8拍子のロックバラードは、奥行きを感じさせるバンドサウンドをベースに、日本語と英語がシームレスに切り替わるボーカルが楽曲に表情を与えている。

    観客の誰も声を上げず、どこまでも広がる音に身を委ね、ただ静かに耳を傾けていた。

    眼の前にあるのはステージという同じ景色でも、音楽を聴きながら、それぞれの頭の中には違う景色が広がっている――そう感じられるような、静かな没入感のある一曲だった。

    結成から数年を経たnaf.の音楽には、活動当初とはまた違うグローバルな音楽的感性を感じさせる、洗練されたサウンドの方向性が少しずつ顔を見せ始めているように感じられる。

    何より印象的なのは、歌とサウンドの境界が、以前よりももっと曖昧になってきているように聴こえることだ。

    歌詞の意味に頼るのではなく、歌声も楽器もリズムもすべてがひとつのとして響き、伝えたいことを伝えている。ライブやツアーを重ねてきた今だからこそ生まれた、現在の彼らが見せる新たな表情のひとつと言えるのではないだろうか。

     

     

     再びのMCタイムでは、「セットリストでは、このMCは『伊藤のいい話』と書かれている」と明かされ、会場に笑いが起きる。伊藤は「プレッシャーを感じる」と言いながらも、naf.の活動開始からの歩みを振り返り、「ついにここに立てた」と、ファンに向けて喜びを伝えた。

     

     それから、きれいごとだけではなく、転がり続ける自分たちのリアルな姿を届けたいと語る。そして、みんなのタイミングでまた自分たちと過ごしてくれたら嬉しいと感謝を伝え、「何もかも上手くいくなんて言えないけど、それでも前を向いていきたい」と締めくくった。

     

     熱い想いのこもったメッセージの後、本編ラストに届けられたのは「人生讃歌」そして「image」。これは、彼らの1stアルバム「Snuggle」に収録された、異なるアプローチで寄り添う2曲だ。

     

    「人生讃歌」では、温もりを帯びた力強いビートと、聴き手を丸ごと肯定してくれる包容力あるボーカルが響き渡る。強く手を引っぱるのではなく、そっと背中を押してくれる優しさに満ちたグルーヴ。そんなあたたかな空気が、会場を丸ごと包みこんだ。

    一方、ラストを飾った「image」もまた、ずっと大切に歌われてきた楽曲だ。

    どちらも背中を押す楽曲でありながら、ここには胸を締め付けるような葛藤や叫び、剥き出しの心がそのままメロディに乗せられているかのようだ。

    その等身大のリアルな姿が胸を打ち、心を掴む。

    その歌に呼応するように、「手を伸ばして」というフレーズに合わせ、観客が一斉にステージへ手を伸ばす美しい景色が広がった。

    曲が終わり、音が鳴り止んだ後も、フロアには深い余韻と感動が広がっていた。

    そうして大きな拍手と歓声に包まれ、4人はステージを後にした。

     

     

    アンコールの声に応え、4人が再びステージに戻ってくる。

    その演奏を待つ間、会場は驚くほど静まり返っていた。

    そして披露されたのは、彼らにとっても、集まったファンにとっても忘れられない一曲「命のクリック」のカバーだった。

    先ほどまでの熱気が嘘のように張り詰めた空気の中、優しく繊細に紡がれる歌とサウンド。

    観客はただ、その静謐な音楽の一音も逃すまいとするかのように聴き入っていた。

    曲が終わっても、最後の音の余韻が完全に消え去るまで、誰も動かなかった。

    やがて、そこにいたすべての人の心から溢れ出したかのようにあたたかい拍手が、会場中に広がった。

     

     MCでは今後の活動についての告知に加え、これまでサポートメンバーとして参加していたギターのYutoが正式加入することが発表された。

    マイクを向けられたYutoは「初めて3人とステージをした後、『これ、(自分が)メンバーになるわ』と思った」と語り、大きな祝福の歓声と拍手が上がった。

     

     そしてアンコールの最後に届けられたのは、オープニングにも披露された「Hey-Low」。

    演奏前に伊藤は、長年実家で暮らしていた飼い猫が亡くなったことを明かし、「この歌は猫への弔いの曲にもなった」と語る。

    ライブの冒頭では、タフなロックナンバーとしてフロアを沸かせたこの曲が、ツアーが終わるこの瞬間、どこか祈りのような優しさを帯びて耳に届く。

    同じ楽曲であっても、歌う人や演奏する人、聴く人それぞれの人生の記憶によって、幾重もの想いを重ねて聴くことができる――。そんな、音楽が持つを、4人のnaf.は証明してみせた。

     

     

    結成から3度目のツアーを無事に終え、この日、新たなメンバーも加わったnaf.

    「絶対に大丈夫」なんて簡単には言えない日常の中で、彼らは「それでも前へ。転がりながら、泥だらけになっても進んでいこう」と伝え、毎日を懸命に生きるすべての人々をそっと肯定してくれる。

    ここから彼らはどんな音楽を鳴らし、どんな物語を見せてくれるのだろうか。

    そしてその音を、それぞれの人生に重ねる聴き手は、どんな景色を見ることができるのだろう。

    夜明けの向こう側、まだ見ぬその先の世界が楽しみになるような、未来への希望に満ちたツアーフィナーレだった。

     

     

    セットリスト

    1 Hey-Low

    2 BLUE HAZE

    3 Step by Step

    MC

    4 I wanna get you done

    5 Pave the way

    6 BITOKU

    7 Lonely Rollin '

    MC

    8 There's nothing holding me back tonight

    9 Echoes

    10 人生讚歌

    11 image

     

    アンコール

    命のクリック

    Hey-Low

     

    TEXT BY 玉尾たまお

    PHOTO BY 大川晋児

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